特定外来生物のクビアカツヤカミキリによるウメやモモ、サクラへの被害が和歌山県内で拡がっています。九度山町でも被害が出ていると聞き、ウメやモモを栽培している方に話を聞きに行ってきました。
クビアカツヤカミキリとは?体長2~4センチのカミキリムシ科の昆虫で、成虫はつやのある黒色で首のところが赤いのが特徴です。ウメやモモ、サクラなどバラ科の植物を好み、樹皮の割れ目などに卵を産み付けます。幼虫が木の内部を食い荒らして弱らせることで、木が枯れる被害が生じています。2012年に国内で存在が確認されてから、現在、13都府県で被害が発生しています。特定外来生物に指定されており、飼育や移動が規制されています。
▼クビアカツヤカミキリ (和歌山県HPより引用)

訪問した先でウメやモモに被害が出ていることを確認してきました。その方はウメ・モモの生産農家ではないのですが、木がダメになってしまったと嘆いておられました。
クビアカツヤカミキリ対策は、現状では薬剤など抜本的な対策がないため、被害の拡大防止に向けてできるだけ早く発見し、駆除するしかないようです。
和歌山県は、農地だけでなく森林や公園などでの被害拡大を懸念しています。早期発見による対策が必要であるため、県はフラス(木くずと糞が交ざったもの)や成虫を発見したら最寄りの県振興局への連絡を求めており、防除方法についてご相談させていただくとしています。
▼クビアカツヤカミキリの被害樹とフラス(和歌山県HPより引用)
九度山町もクビアカツヤカミキリ防除対策への助成事業を行ないます。
2024年度九度山町一般会計予算に、クビアカツヤカミキリの被害を受けたサクラなどの防除を行なった人に、その経費の一部を補助する事業の予算が計上されました。この補助事業の概要は次の通りです。
病害虫防除対策事業補助金
◆目的・対象 クビアカツヤカミキリの被害を受けた九度山町内(山林を除く)のサクラ
など生産活動に供する果樹以外の被害樹の防除対策。
◆受付期間 2024年4月1日~10月25日
◆補助額 伐採・抜根 6万円以内/㎥
伐採・根覆い 6万円以内/㎥
ネット被覆 6千円以内/本
樹幹注入 600円以内/孔※この補助は申請による交付決定後に行なわれますので、防除作業前に町(産業振興課)に連絡が必要です。 被害の拡大を防ぐためには現在、早期発見と駆除するしかないようです。これ以上、被害を拡げないよう効果的な対策が見つかることを願うものです。